「美術館」を見る/パラソフィア京都市美術館


『京都国際芸術祭パラソフィア』メイン会場の京都市美術館へ。普段は2,3つの展覧会を同時に開催していることが多い京都市美術館だが、今回は建物すべてがパラソフィアの会場となっており、重厚な美術館の建築を堪能できた。大学生の頃、こんな立派な建物に自分の作品を展示していたとはにわかに信じ難いが、市民に開かれた美術館とはそういうことなのだろう。

「建物すべて」というのは、1階2階だけでなく、地下室や中2階(?)など、普段は入れない場所も含めてのことだ。地下室で上映されていたスライドで、京都市美術館は戦後、進駐軍に接収されていたことを知る。その名残が、いまも残っていた。接収時の、靴磨きの看板だ。知らなかった京都の歴史に驚く。

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丸一日かけて見て回った中、ドミニク・ゴンザレス・フォルステルの作品が良かった。見るからにお金のかかった作品も多い中、アイデアとセンスで勝負しているところに惹かれる。わりと長い映像作品が多かったのに対し、これは4分程度とコンパクトだったのも好印象だった。説明し過ぎずもったいぶらず、表現したいことの芯の部分だけを提示している。展示場所を最も活かしている、と思えたのもこの作品だった。

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パラソフィア、あとは文化博物館会場を残すのみ。そんなに期待はしていなかったのだけれど、けっこう楽しい。