■宮沢章夫さんが亡くなった。驚いたし、65歳という年齢も早すぎると思ったが、まだ実感として受け止められていないというのが正直なところだ。そういえば、2年前に母が亡くなった時もそうだった。自分にとって、人の死というのはそういうものなのかもしれない。
■宮沢さんのことは、著作「彼岸からの言葉」が出た時から好きだった。といっても、京都の内気な中学生だった自分にとって、宮沢さんが東京でやっていた演劇を見に行くのは遠すぎて、しばらくは単行本を買って読むだけのファンだった。就職して東京に出た自分が初めて見た演劇は「トーキョー・ボディ」で、濃厚すぎて頭がクラクラし、帰り道の電車を間違えてしまった。
■宮沢さんのサイト「u-ench.com」で、「”■”RINGS」というリンク集があった。メンバーを募集中なのだという。思い切って「いちファンなのですが、メンバーに加えてもらえないでしょうか」とメールしたら、次の日「”■”RINGS」に自分のサイトが加わっていて、狂喜乱舞したことを覚えている。いや、乱舞はしていないが、立ち上がってガッツポーズをした。インターネットに繋がって以来、一番嬉しい出来事だった。
SNSが台頭し、サイトを更新する人が減っていく中、今もこのサイトを細々と続けているのは、この思い出があるからだ。それから二度お会いする機会に恵まれ、少し話もした。優しい人だった。
■宮沢さんのツイッターの最後のつぶやきはこうだ。
それにしても眠い。さよなら。宮沢章夫
ああ、最後までかっこいいね。さよなら。ご冥福をお祈りします。