杉本博司と春日大社


奈良・春日大社の国宝殿まで「杉本博司 – 春日神霊の御生(みあれ)」を見に行く。遠いといえば遠いのだが、行ってしまえばそれほど遠くもない、それが奈良だ。

杉本さんの古美術コレクションは、その半数近くが春日大社にまつわるものなのだという。そんな杉本コレクションと春日大社の宝物を並べ、ついでに(笑)新作もちょっと。綺麗で見応えのある展示だった。午後の講演会も拝聴したのだが、杉本さんの「蒐集している古美術と匹敵するぐらいの作品をつくる」という話には、グッときたと同時にたいそう驚いた。蒐集している古美術って、国宝レベルだよ。

春日大社は768年の創建以来、戦災・天災に巻き込まれていないのだという。原生林が本当に原生だ。古代と直結するようなその佇まいに、感動を覚える。折口信夫「死者の書」を読み返してみようかな。