本作りにハマる


もう2週間前になってしまいましたが、9月9日、文学フリマ大阪に出展しました。文学フリマに参加するのは初めてなのでちょっと緊張していましたが、なんのことはない(あるか)、本の売れ行きも好調で非常に楽しく過ごせました。ありがとうございました。

というわけで、最近、本づくりにハマっている。いまのところ、自作の絵と文を用意し自宅PCでレイアウトして自宅プリンタで刷り、自分でホチキス留めや糸で縫うなどして製本するという家内制手工業状態だ。いろいろ思い通りに行かず四苦八苦する日々だが、ああだこうだと試行錯誤するのもまた楽しい。

本づくりの工程が1から10まであるとして、なるべく最初から最後まで関わることによって、自分っぽい本になるのではないか。そんな単純な発想だが、実際、自分で手を動かすことによって、次はこうしようとかこんなこともできるなとか、新しいアイデアが湧いてくる。結果、自分の首を絞めるのですね。

その結果がこれ、というわけで、文学フリマで売り切れた『小さな声が響く部屋』カラー版、少し増刷しました。文庫本サイズ、40ページの糸とじ手製本、英訳付き。600円です。WEB SHOP からどうぞ。メールやDMでご連絡いただければ、個別に対応もいたしますので、どうぞよろしく。

能を積極的に見る


台風が近づく中、朝からロームシアターに出向き能を観劇する。「翁」と「葵上」。

「翁」は、具体的なストーリーがなく、演者が舞台上で面を付けたりする、不思議な構成。儀式的な、神に捧げる原初の能という感じだった。開演前、舞台袖から「カチカチカチ」と音がしていたのだが、後で解説を読むと、「翁」をやる時は、始まる前の楽屋から儀式を行うのだという。聞こえていた音は、石で火花を散らして身を清める時の音だったらしい。

「葵上」は、源氏物語なので話が追いやすい。タイトルは「葵上」だが、六条御息所が主役で、葵の上は出てこない。世界中の映画や演劇でちょいちょい見かけるこの構成、能でもあるんですね。

演者や囃子方の動きや所作など、なぜそういう形になったのかを想像しながら見るのが面白い。決まった型があるように見えるものも、これまで徐々に変化してきたのだろうし、これからも変わっていくのだろう。

そういう意味でも、7月に見た、能をもとにした演劇「NŌ THEATER」はたいへんに面白かった。能というものの構成・形式は、むしろ現代劇にこそ向いているのではないかと思わせるほど、違和感がなく、そのうえおしゃれな舞台だった。

何年か前から、もっと積極的に能を見よう、と思っているのだが、今年こそ見る。もう8月だけど、今年こそ。

深夜、台風が吹き荒れている。

最近の一生懸命と応援


最近はSNSのおかげで、友人知人が今どんな活動をしているのかが分かりやすくなった。だからといって、SNSを使っていない人が何もしていないかというと、そんなことはないのであって、むしろそういう人の方が面白いことをやっていたりする。何が言いたいかというと、私も最近あまりSNSを更新していませんが、元気にいろいろやってますよという話。

起きてテレビをつけると高校野球をやっている。寝ぼけた頭で、どっちも頑張れーと思いながら朝ごはんを食べる。こないだは審判が熱中症で途中交代していた。審判も頑張れー。

最近見た映画、「ファントム・スレッド」と「カメラを止めるな!」。ぜんぜんタイプの違う映画だけど、どちらも丁寧に作ってあって面白かった。特に「カメラを止めるな!」は、登場人物のことも作り手のことも、なんか応援したくなる映画だった。満員の映画館、見終わった人がほとんどみんな笑顔っていうのはいいですね。

さて、私自身の活動ですが、9月9日に、文学フリマ大阪というイベントに出展します。絵の展示ではなく文学作品の展示即売会です。文学フリマはもう20年の歴史があるらしいのですが、初めての出展。今年の1月に京都で開催されたものを見に行って、その商売っ気のないピュアな雰囲気に心惹かれたのです。なので私も一生懸命、ピュアな本を作って持っていこうと思います。詳細はおって。